お菓子作りは道具を使いこなすことも大切ですが、どう使い分ければいいのか分かりにくいものです。
そこで本記事では、製菓専門学校時代からカフェパティシエとしてハンドミキサーを長年使ってきたどらかめ(@kame_okashi)が、基本の使い方から生地作りのコツまで解説していきます。
ハンドミキサーは泡立てる・混ぜる・こねるを短い時間でこなせる道具で、スポンジやメレンゲ、生クリームからクッキーやパン生地まで幅広く使えます。
使いこなせば生地の仕上がりがぐっと安定するので、まずは基本的な使い方から覚えていきましょう。
そーた一緒に使い方を見ていこう。


ハンドミキサーの基本の使い方
この章では、メレンゲ作りを例に、ハンドミキサーの基本の手順を最初から順番に見ていきます。
電源の確認から羽根の動かし方まで、流れをつかめば初めての方でも迷わずに進められます。




アタッチメントは機種によって形が違うので、用途に合ったものを選び、汚れが残っていないか確認しましょう。
卵白は冷やすほど泡立ちが安定するので、しっかり冷えたものを使いましょう。
ボウルの下にタオルを敷くと、作業中にボウルがずれにくくなります。


ハンドミキサーを上の写真のように持つと、重さを感じにくくなります。
また、泡立てる前に砂糖をひとつまみ入れると、卵白の水分を抱え込んで泡立ちが安定します。


羽根はボウルの端にも当たるように、円を描くように動かして全体を泡立てていきます。


ミキサーを動かしたまま引き抜くと、メレンゲが飛び散るので注意してくださいね。
メレンゲのコツをもっと詳しく知りたい方は「チョコシフォンレシピ」で解説しています。


ハンドミキサーと一緒に使いたいもの
ハンドミキサーと一緒に使いたい道具は以下の3つです。
- ボウル……適度に深さがあるものが使いやすい(普通のものでも作れます)
- ゴムベラ……できればシリコン製で耐熱加工のあるもの
- フキンまたはタオル……ご家庭にあるものでOK
ボウルは適度に深さがあるものの方が羽根がよく当たるので、泡立ちが良くなります。
また、ゴムベラはシリコン製のものが耐熱性能も高く衛生的なので、余裕のある方は揃えておくと作業が楽になります。
おすすめの道具については「おすすめ製菓道具と選び方」で解説していますので、参考にどうぞ。


ハンドミキサーを使いこなすための3つのポイント
ハンドミキサーは混ぜるだけの単純な道具ですが、単純だからこそ使う人の腕が出やすい道具でもあります。
そこで、ただ混ぜるだけでなく、この章では次の3つのポイントを押さえておきましょう。
- ハンドミキサーをつかみ持ちする
- 速度の違いでどう使い分けるのかを覚える
- アタッチメントを使いこなす
それでは、3つを順番に見ていきましょう。
ハンドミキサーの持ち方を覚える
ハンドミキサーは下の写真のように持つのが一般的ですが、この持ち方は重さを感じやすくなるのであまりおすすめしません。


持ち方を下の写真のように変えるだけで少し軽く感じる上に、操作も直感的になるので使いやすくなります。





専門学校でこの持ち方を教わってから、ずっとこれで作ってます♪
速度の違いによる使い分けを覚える


次に大切なのが、速度による使い分けを覚えることです。
ハンドミキサーは3段階から10段階まで変更できるものがあり、作るお菓子によってスピードを使い分けると、良い生地が作れるようになります。
速度の使い分けの主なイメージは以下の通りです。
| 生地 タイプ |
メレンゲ | ジェノワーズ | ホイップクリーム | バター生地 |
|---|---|---|---|---|
| 低速 (1~3速) |
最後にキメを整える | 最後にキメを整える | 基本的に使いません | 生地の混ぜ込みに使用 |
| 中速 (4~7速) |
少量で作る時は中速を選択 | ある程度泡立った後に気泡量の調節で使用 | 泡立ち具合の調節に使います | 基本的に使用しません |
| 高速 (8~10速) |
作る量が多い時に使用 | 最初の気泡量を増やすために使用 | ふわっとした仕上がりになります | 基本的に使用しません |
どの場面でどの速さにするかで生地の気泡量が変わり、仕上がりも大きく変わってきます。ここが生地作りの分かれ目になりやすいポイントです。
これから1台選ぶ方は、速度の段階数や羽根の形、持ったときの重さといった観点を見ると、自分の使い方に合うものを選びやすくなります。
アタッチメントを使いこなす


ハンドミキサーには、高性能な機種になるほどさまざまなアタッチメントを付けられます。
羽根は大きく分けて、泡立てや混ぜるための羽根と、生地をこねるための羽根の2系統があり、目的によって形が違います。主に付属されるアタッチメントは以下の通りです。
- ビーター(混ぜる)……クッキーやバター生地など硬い生地を混ぜられる
- ホイッパー(泡立てる)……大きい羽で生クリームやメレンゲなどをきめ細かく泡だてる
- ニーダー(こねる)……手でこねるのが大変なパン生地作りに活躍する
泡立てにはホイッパー、クッキーやバターなどの硬い生地にはビーター、パン生地をこねるときはニーダーと、羽根を使い分けると仕上がりが安定します。



用途に合ったアタッチメントで、おいしい生地作りをしていきましょう♪
ハンドミキサーで作る際の注意点と使い方のコツ
ここからは、実際の生地作りを通して泡立ての見極めと失敗しやすいポイントを見ていきます。
取り上げるのは、次の生地とクリームです。
- 共立てスポンジ生地(ジェノワーズ)のコツ
- メレンゲ作りのコツ
- 生クリームの泡立て
- チーズやパウンドケーキの生地作り
共立てスポンジ生地のコツ
共立ての生地は、最初に高速で一気に空気を含ませ、全体のかさをふくらませていきます。
ある程度泡立ったら中速に落とし、生地が白っぽくつやが出てきたら低速へ切り替えます。高速で作った大きな気泡を、中速から低速で細かく均一に分けていくと、焼き上がりのきめが整います。
一定の速さのまま回すと気泡の大きさがそろわず、大きな気泡が焼成中に隣の小さな気泡を吸い込んで穴になりやすいので、段階的に速度を落とすのがポイントです。
速度の目盛りは機種によって違うので、数字ではなく生地の白っぽさとつやを合図にすると、どのハンドミキサーでも判断できます。
共立てはメレンゲに比べて立ちすぎてもリカバーしやすい生地なので、高速から中速、低速へと徐々にスピードを落としながらキメを整えると、おいしいケーキが作れます。
また、この生地は卵の温度が低いと泡立ちが悪くなり、時間がかかってしまいます。
ジェノワーズについて気になる人は「ジェノワーズの基本レシピと失敗しない作り方」で解説しています。


メレンゲ作りのコツ
メレンゲは、卵白のタンパク質が空気と水の境目で形を変え、薄い膜になって泡を抱え込むことで立ち上がります。撹拌は、そのタンパク質を膜へと変えていく作業です。
砂糖をひとつまみ入れたら、まずは低速で泡立て始め、少しずつ中速まで上げていきましょう。


写真のように全体的に泡立ってきたら、レシピの1/3の砂糖を入れます。
砂糖を最初に全部入れると、卵白の泡立ちをじゃまして膨らみが弱くなってしまいます。


このくらい泡立って、つやが出てきたら2回目の砂糖を入れていきましょう。


メレンゲのツノがしっかり立ってきたら、3回目の砂糖を入れていきます。


写真のようにつやとコシがあって、キメが細かい状態まで立ち上がれば完成です。これでメレンゲ生地の出来上がりです。
メレンゲ作りのポイントは以下の通りです。
- 卵白に卵黄が入らないように分ける
- 卵白は冷蔵庫でしっかり冷やす
- 砂糖は3回に分けて入れる
- つやが出て、空気をたっぷり含んだ状態まで立てる
高速のまま最後まで回すと泡が壊れて水っぽく分離してしまうので、つやが出てきたら中速から低速に落として仕上げましょう。



泡立てすぎたメレンゲは元に戻せないので、つやが出たら仕上げに入るのが安心ですよ。
メレンゲは難しいと思われがちですが、慣れてくると作れるようになります♪
生クリームの泡立てのコツ
生クリームは泡立てる際に飛び散りやすいので、なるべく深くて大きいボウルを使いましょう。
手順は以下の通りです。
- よく冷やした生クリームを深めのボウルに入れる
- 低速で回してとろみがついたら中速にして泡立てていく
- 高速にすると飛び散ってしまうので、中速までにする
生クリームは動物性のものの方が泡立ちやすい傾向があり、植物油脂のものは安定する分、泡立つまでに時間がかかります。
そのため、低速で様子をみながら、ある程度とろみが付いてきたら中速で立てるようにしましょう。
泡立てすぎるとぼそぼそになってしまうので、ここは注意してください。
まとめ
今回は、ハンドミキサーの基本の使い方から生地ごとのコツまでを解説してきました。
個人的には、持ち方を工夫するだけで重さを感じにくくなるのでおすすめです。
これは専門学校でも習ったやり方で、パティシエでも使っている人が意外といます。ハンドミキサーを使いこなして、おいしいケーキを作っていきましょう。












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