パティシエを目指しているひとや、パティシエをやっている人にとって、パティシエの年収がどのくらいなのか気になるところ。
そこで、本記事では現役パティシエのぼく(@kame_okashi)が、「パティシエの平均年収」と「年収を上げるためにしたこと」を公開します。
現役パティシエが月収45万円を達成するためにしたこととは?
パティシエの年収ってどれくらいなの?
だいたい200万〜400万くらいかな。
ただ、経験や会社の規模によって年収は大きく変わるよ!
パティシエを目指しているひともパティシエに転職を考えているひとも、将来的にお給料が上がるのか気になるところですよね。
この記事では、個人店パティシエとして3年、カフェパティシエとして10年働いた僕の経験から「パティシエの年収が上がりにくい理由」と「年収を上げる考え方」を解説しています。
さらに「【人生激変!!】パティシエ・飲食店転職のコツ」では年収100万円UPを目指す方法やパティシエにおすすめの転職エージェントを紹介しています。
キャリアアップの方法や考え方を間違えなければ30代で年収500万も可能です♪
パティシエ・パティシエールの平均年収は?
パティシエの初任給は月給で15万円〜18万円というのが一般的で、年収で言うと200万円〜300万円くらいです。
パティシエの年齢別に平均年収をまとめると以下の通り。
この表を見ると、経験10年ほどでようやく300万円に到達しており、その他の業界と比較しても年収が低い業界といえます。
また、新卒の年収は200万を切ることも多く、税金を引かれると手取りが12万〜14万程度になることも
都内のパティスリーでも同じような給与体系の場所も多く、パティシエの生活はかなり厳しいことが読み取れますね。
スタッフが手取り12万で、シェフは月収200万くらいもらってましたけどね!
お菓子作りが好きという理由だけで働いていても、年収は上がりにくいのが現実です。
5年後、10年後に後悔しないように今から自分のキャリアプランを考えていく必要があります!
では、パティシエ の年収が低くなる理由と年収のあげ方をみて行きましょう♪
パティシエの給料・年収が低い3つの理由とは?
パティシエの年収が低いと3つの理由は以下の通り。
ここからは少しダークな話なのでササっと見ていきます!
【年収が低い理由①】長時間労働で残業代が出ない
まず、パティシエは他の業界とくらべ、長時間労働です。
個人店では月の労働時間が300時間〜400時間になる事も多く、国の定める基本的な労働時間(176時間)と比べるとかなり長時間です。
「残業なしの会社」と比べると2倍以上働いていることになるんだね!
現在のパティシエ業界では、職種によっても労働時間に大きな違いが生まれています。
そこで、パティシエ歴14年のぼく実感する職種別の労働時間数は以下のイメージ。
- パティスリー(個人店)⋯⋯350〜400時間
- 大手洋菓子店(チェーン店)⋯⋯200~220時間
- カフェパティシエ⋯⋯180~230時間
- ブライダルパティシエ⋯⋯220~300時間
この様に、個人店はとても長い勤務時間ですが、大手チェーンであれば安定した生活を送ることも出来ます♪
ただ個人店と大手洋菓子店では、経験出来ることも大きく変わるので、自分のキャリアを考える必要がありますね。
ぼくが働いていたお店は月400時間勤務で、1日16時間働いて月に5回しか休みを取れず、かなり過酷な環境となります。
また、企業や大手パティスリーでは200〜300時間の会社多く、環境的に良くなっている会社もあります。
働く時間の長さや、会社の規模を考慮した職場選びが非常に重要と言えますね。
少しづつ改善されてきていますが、まだまだ労働時間の長さは深刻な問題と言えますね!
【年収が低い理由②】ケーキ屋さんは儲かりにくい仕組みだから
こんな長時間労働なのに年収が低い理由は、パティスリーが儲からない仕事だからです。
例えば、1個500円のケーキを売るとします。
1個500円のケーキって結構高いですよね?
自分だったらそれなりに美味しいケーキを期待します。
お客さんの期待に応える為には、高級な食材を使ったり、高い技術で手間暇かけて美味しいケーキを作るしかありません。
すると以下のような状態になります。
つまり、材料費も人件費も高くなるので利益が出にくい商売といえますね。
もちろんお店によって差はありますが、パティシエの世界では500円のケーキを10個売ってやっと500円の利益になると良く言われ、売上の10%ほどが利益となります。
結局、食材を安く仕入れるのは限界があり、人件費つまりパティシエの給料を下げるしかありません。
つまり、パティシエで年収をあげたいなら大手の企業やウエディングなど別軸の事業がある業態で働くべきだとぼくは思います。
美味しいお菓子が作れることと、経営ができることは別の力だもんね!
【年収が低い理由③】修行という名のやりがい搾取
3つ目は「修行だから我慢しろ」という雰囲気がいまだに根強く残っている点です。
パティシエに限らず、職人の世界では「給料が低いこと」や「労働時間が長いこと」は修行だからしょうがないという感覚があります。
いわゆる「修行中の身だから」というやつですね。
雇う側のシェフの価値観もありますが、働く側も諦めてしまうことが大きな問題と言えます。
パティシエだからしょうがないと思考停止する前に、「働く環境」や「10年後の自分がどうなっていたいのか」を考えていきましょう。
もちろん、「職人の技術や努力が日本のお菓子をおいしくしてきた」という事実はあり、それを否定するつもりはありません。
ただ、現代は「おいしいお菓子を作る」だけでなく、「色々な形でお客さんを幸せにする」時代になっていますので、技術以外の力も求められているということですね。
職人気質が強すぎる会社は、年収や労働環境が悪い傾向なので注意が必要です!
パティシエで給料・年収を上げる方法とは?
年収が低い理由はわかったから、どうすれば良いのか教えてよ!
OK!ぼくが月収45万円を達成するまでしたことをまとめていくね♪
【パティシエ年収UPへの道】ホワイトな儲かる業態に転職する
まず、年収のUPのためにするべきことパティシエの中でも儲かる業態に転職することです。
実際にぼくがまずしたことは、求人をチェックしてパティシエにどんな業態があるのかでした。
パティシエには以下ようなの業態があります。
- 個人洋菓子店
- 大手洋菓子店
- レストラン・カフェ
- ホテル
- ウエディング
- 企業の商品開発
- スクールや専門学校の講師
実際に求人票を見てみると、「大手洋菓子店」「レストラン」や「カフェ」「企業の商品開発」を見つけることができ、個人店と比べて年収が高いことがわかります。
さらに、業態別の給与水準は以下のイメージ。(※会社よって変わります)
- 大手ブライダルパティシエ⋯⋯20万~35万円
- 大手洋菓子店(チェーン店)⋯⋯20万~28万円前後
- レストラン&カフェ⋯⋯18万~35万円前後
- ホテル⋯⋯18万円~25万円
- 個人店⋯⋯15万円~18万円
ひとを管理する側(マネジメント)まで含めると、給料や労働時間が大きく違うことを感じ、未来の自分を想像してワクワクしたのを今でもハッキリと覚えています。
当時、ぼく自身も手取り12万で月400時間の環境を変えるべく、個人店のパティスリーを辞め転職活動を開始しました。
先輩に「根性なし」と言われたけど、先輩も手取り16万だったので辞めて正解でしたー!
ただ、転職活動をしてからわかったんですが、働きながら転職活動を1人でするのってすごい大変なんですよね。
「もっと早く気付けよ!」と言われそうですが、思い立ったら即行動のぼくはそこまで考えてませんでした⋯⋯
- 履歴書・職務経歴書の書き方がわからない
- 休みが少ないから転職活動する時間が取れない
- 求人票に正しいことが書いてあるのかわからない
履歴書や職務経歴書の作成、企業への応募や面接の日程調整、連絡など、転職活動にはやることがたくさんあります。実際めんどくさいです(笑)
とはいえ、環境を変えなければずっとこのままなので「転職エージェント」を活用することをおすすめします。
- 求人サイトにはない非公開求人を見れる
- プロの視点で企業とマッチングをしてくれる
- 提出書類の作成・添削、面接のサポート体制がある
- 入社日や給料条件などの企業への交渉
- ブラック企業を候補から外せる
転職エージェントは無料で使える転職支援サービス。
その特徴としては、主に非公開求人が見れたり、履歴書、職務経歴書の添削、企業との給料交渉などさまざまです。
転職エージェントには「業界特化型(クックビズなど)」と「一般職型(リクルートなど)」の2種類があります。
それぞれの特徴は以下の通り。
パティシエとして年収をあげたい場合は、業界特化型を2つと一般職型に1つ登録することをおすすめします。
ぼくは業界特化型には「itk
ホワイト企業転職|パティシエにおすすめの転職エージェント6選
飲食業界・パティシエの転職で使える転職サービスは以下の8つです。
転職サービス | エージェントタイプ | 特徴 | 公式サイト |
---|---|---|---|
フーズラボエージェント | 飲食特化 | 飲食業界満足度No1 | 公式 |
itk | 飲食特化 | 1万件以上の豊富な求人数 | 公式 |
doda | 総合エージェント | 常時8万件以上の求人数と手厚いサポート | 公式 |
リクルートエージェント | 総合エージェント | 業界大手のエージェント | 公式 |
第二新卒エージェントneo | 若手向け | 高卒・専門卒に強いエージェント | 公式 |
飲食特化型の転職エージェントは飲食店の求人のみを持っており、飲食業界へ良い条件で転職したいひとにはピッタリ。
パティシエなどの技術職向けの求人が多数あり、店舗やセントラルキッチンで働きたいひとにおすすめできますね。
また、総合転職エージェントでも飲食店の求人が増えてきている傾向にあります。
ぼくは特化型エージェント・総合エージェントで月収35万円以上の求人をいくつか紹介してもらえたよ♪
ただし、たくさん登録してしまうと管理が大変なので、「特化型2社」「総合・若手向け1~2社」くらいで十分だと思いますよ♪
それでは、実際にぼくが使っておすすめできると言える転職エージェントをご紹介していきます。
飲食業界特化の転職エージェントは下記の通りです。
転職サービス | エージェントタイプ | 特徴 | 公式サイト |
---|---|---|---|
フーズラボエージェント | 飲食特化 | 飲食業界満足度No1 | 公式 |
itk | 飲食特化 | 1万件以上の豊富な求人数 | 公式 |
それぞれ、特徴が違い複数登録しておくことをおすすめします。中でもペコリッチはタダ飯クーポンがあるなど面白い取り組みがあります。
それでは、ここから詳しく見て行こう!
【飲食特化】おすすめ転職エージェント①|itk inc,
公式サイト : 【アイティーケー】
itkは、常時1万件以上の求人を保有する老舗の飲食特化の転職エージェントです。
itkの特徴をまとめると以下の通りです。
- 業界求人数No1
- 経験豊富なキャリアプランナー
- 履歴書・職務経歴書製作サービス
- 面接付き添い
- 内定後のアフターフォロー
飲食特化の転職エージェントとして、まず候補に入れたいエージェントです。
以前までは他の転職サイトと比べるとサイトが使いづらい印象でしたが、サイトリニューアルによって、とても見やすい検索画面になっています。
飲食業界で転職先を探しているなら、必ず登録したいエージェントですね!
\飲食店の転職に最適/
無料登録で安心サポート!
職人気質なひとにぴったり♪
【飲食特化】おすすめ転職エージェント②| フーズラボエージェント
公式サイト:二つ目に紹介するフーズラボエージェントは、飲食特化の中でも最大手の勢いのある転職エージェントです。
実際にぼくも転職活動の際に活用し、月収35万円以上の求人を数多く紹介して貰えました。面接の同行から、職務経歴書の作成までまるっとおまかせもできるほどサポートも充実しています。
そんなフーズラボエージェントをおすすめする理由は以下の4つ。
- 常時5万件を超える業界最大手の全国展開求人
- 転職サポートが手厚い
- ブラック企業求人を徹底排除している
- 技術職や専門職の求人も多い
- 月収35万円以上の求人が多数ある
ぼくも実際登録して使ってみましたが、専門職の求人が非常に多く、現場を続けたい人にとっては非常におすすめできます。
全国の主要都市で求人検索をかけることもでき、全国から応募可能な点も評価が高いでしょう。
さらに、検索画面も非常にシンプルで使いやすく、常時5万件以上の求人から自分にピッタリな求人を探すこともでき、色々な条件で求人をチェックしても面白いですよ。
また、求人サイトと比較して給料の高い求人が多いのもおすすめできる点です。
月収35万円を超える求人が多数あり、しっかりと稼ぎたいひとや家族がいるひとにとってはおすすめできる転職エージェントといえます。
パパは面談当日に遅刻したけど、優しく迎え入れてれたから安心して話せたんだって♪
ちょっ!それはひみつの約束でしょー!!
食店特化エージェントに続き、サポート体制の整った総合転職エージェントも活用していきましょう。
総合転職エージェントを使うべき理由は以下の通りです。
- 管理職求人も多数
- 登録されている飲食業界はどこも大手で安心
- キャリアチェンジするなら登録必須
- 各種サポート体制が素晴らしい
飲食業界経験者にとっては、キツい飲食をやめて他の業界や、同じ飲食業界でももっと安定した企業で働きたい!と考える人も多いでしょう。
確かに将来のことを考えると、一般企業で働いてくれたら安心よね。
飲食業界にずっといると、周りの一般的な職種との違いや価値観の違いに悩むこともあるかと思います。
そういった時には思い切って職種を変えてしまうのも一つの手と言えますね。
【サポート充実!】総合転職エージェント|doda
公式サイト:dodaは大手転職エージェントのひとつで、飲食業界以外にも12万件以上の求人を保有している転職エージェントです。
飲食業界から転職したい人には最もおすすめと言えます。
dodaがおすすめな理由は以下の4つ。
- キャリア面談やサポートが飲食特化型エージェントよりも丁寧
- 転職市場の流れや飲食以外の情報も取り入れた転職活動ができる
- 探しやすい求人検索画面
- 項目に入力するだけで履歴書や職務経歴書が作れるサービス
大手転職エージェントともあって求人数は圧倒的です。
モンサンクレールで有名な辻口シェフの「ルショコラドゥアッシュ」も求人が載っていましたので、有名店の求人も少なからずある印象ですね。
求人検索画面も細かく条件を入れられますので、非常に使いやすいです。
ただ、技術職の求人数では【特化型エージェント】に負けますので、安心の転職サポートやキャリア相談、他業種にもチャレンジしたいひと向けのエージェントと言えます。
ぼくは、dodaで面談して飲食以外の道も視野に入れることができたよ♪
- 安心の転職サポートを受けたい
- 他業種も視野に入れた転職活動をしたい
- 管理職の求人に応募したい
【サポート充実!】総合転職エージェント|リクルートエージェント
公式サイト : リクルートエージェント
リクルートエージェントはdoda
求人数もそこまで差はなく、少しリクルートエージェントの方が多い印象。
パティシエ転職においては特化型2社と大手1社で十分なので、検索の使いやすさや、サイトのデザインなど好みで選んでも良いでしょう。
キャリアアドバイザーにも当たり外れがあるので、doda
まずは軽く求人を見てみるつもりで登録しても良いかもね!
【若手向け】転職エージェント|第二新卒エージェントneo
第二新卒エージェントneoを運営するネオキャリアは、さまざまな業界の就職支援をするサービスです。
中でも第二新卒エージェントneoは、若年層向けの転職エージェントと言われており、離職率の高く若年層が多い飲食業界の転職には最適です。
また、数多くの就職支援サービスを運営しているため、知名度・就職成功ノウハウを共に豊富に持っています。
これまでに2万人を超える若年層の就職支援実績を誇り、利用者1人あたりのサポート時間は8時間と充実した対応実績もあるため、初の転職活動にはおすすめといえます。
しかし、キャリアアップしたい人や年収をあげたいなどの目的がある場合は、おすすめできません。
経験の浅い人向けに特化した転職エージェントですので、キャリアを1から作りたい人に適しているといえます。
専門卒で飲食業界に入った人にとってもおすすめですね♪
登録もチャット形式で8つの設問に答えるだけなので簡単です。
完全無料で使える若手向けの転職エージェントですので、一度ぜひ話を聞いてみることをおすすめします。
良いキャリアアドバイザーさんに出会えるかどうかも重要ですので、複数登録しておきましょう♪
ホワイト企業への転職後は正しい方向にめっちゃ努力する
転職も成功したし、あとは技術を磨いて良い商品を作るだけだ♪
ちょっと待って!!技術も良い商品を作ることも重要だけど、もう一つ必要なことがあるよ!
パティシエとして良い職場に転職することができたら、次はめっちゃ努力するわけですけど、年収をUPさせたいなら、技術至上主義から卒業しましょう。
多くのパティシエは技術や味にこだわるあまり、「売れる商品の作り方」を知りません。
企業は利益を出さなければいけない原則がある以上、「売れる商品や仕組みを作れないひと」の年収はあがりにくいのが現実。
決められたレシピで言われた通りに作っていても年収が上がりにくい事は、パティシエの平均年収を見ればわかります。
周りのパティシエ同じ様に、「このクリームが美味しい」とか「この技術はすごい」と言っていても年収は50代で400万をやっと超えるくらいです。
大多数のパティシエと同じことをしても、あなたの価値はあがりませんからね。
その点、パティシエで「売れる商品作り」ができるひとは非常に少ないので市場価値は上がりやすいと言えます。
ぼくも会社でヒット商品をいくつも開発して、今では全店のケーキ開発部門も担当しています
とはいえ、「売れる商品開発力」以外にも「マネジメント力」や「コミュニケーション能力」も年収に大きく関係しますので、あなたに合った市場価値を上げるスキルを見つける努力をしてみましょう!
一応、売れる商品開発力を養うためのおすすめ本を1冊ご紹介しておきますね。
商品開発をする上で非常に重要なことなので、一度読んでおくことをおすすめします♪
最後にひと言、パティシエでも年収はあげられる!
ここまで、パティシエとして年収を上げる方法を解説してきましたが、ぼく自身コンクールで賞を取ったこともなければ、有名店で修行したこともありません。
それでもありがたいことに、妻と子供2人を養うくらいの年収はいただくことが出来ています。
そんなぼくがずっとこだわってきた事は正しい環境で「自分の強みを生かし、どんな事で人の役にたつのか」を考えることです。
一度、しっかりと自分の強みやキャリアについて考えてみても良いんじゃないんでしょうか?
以上、現役パティシエが語る平均年収とその上げ方でした。