こんにちは!
お菓子作り大好きなどらかめ(@kame_okashi)です。
読むお菓子教室!第2回の今回は「人気のパウンドケーキレシピから学ぶ乳化の疑問とコツ」です。パウンドケーキって手順はそんなに難しくないんですが、美味しく作るのって以外と難しいんですよね。
みなさんこんな経験ありません?
「生地が思ったより膨らまなかった」「生地がパサついて硬くなった」「作っている途中で生地がつぶつぶになった」などなど⋯⋯
実はぼくも、パティシエになる前は、苦手意識があったなぁ
それもそのはず、焼き菓子って簡単そうに見えて、実は気をつけないといけないことが多いんです。
- バターの温度
- 卵を入れた時の乳化具合
- 粉を入れた後の混ぜ具合
そこで、この記事ではおいしいパウンドケーキのコツを徹底的に解説しています。
これを読めば、おいしいパウンドケーキが焼ける様になること間違いなし
お菓子作り初心者におすすめの人気パウンドケーキレシピ
まず、パウンドケーキを作る時に重要なのはレシピです。
どんなに技術があってもレシピ選びを間違えると上手く作れません。
そこで本記事では、シンプルで作りやすい基本の4同割りのレシピをほんの少しだけアレンジしたもので解説していきたいと思います。
バター生地
- 薄力粉⋯⋯⋯⋯80g
- アーモンドプードル⋯⋯⋯⋯20g
- ベーキングパウダー⋯⋯⋯⋯2g
- 無塩バター⋯⋯⋯⋯100g
- 卵⋯⋯⋯⋯100g
- グラニュー糖⋯⋯⋯⋯100g
シロップ
- 水⋯⋯⋯⋯30g
- グラニュー糖⋯⋯⋯⋯15g
- 洋酒⋯⋯⋯⋯30g
このパウンドケーキのレシピは、シンプルで作りやすいレシピなのでぜひチャレンジしてみましょう。
必要な道具一覧
パウンドケーキを作るに当たって必要な道具を一覧でご紹介します。
- ボウル
- ゴムベラ
- ミキサー(ビーター機能があると便利)
- パウンドケーキ型(16cm×8cm×6cmのパウンド型1台分)
- オーブン
- パウンドケーキクーラー(網台などでも代用可能)
ボウルは中サイズのボウルであれば問題ありません。ミキサーについては、バターや砂糖をクリーム状にするために、ミキサーや泡立て器が必要です。ミキサーがあれば便利ですが、手動の泡立て器でも代用することができますので、安心してください。
パウンドケーキ型については、「【もう迷わない!】お菓子作りにおすすめのパウンドケーキ型とその選び方をパティシエが徹底紹介!」でもおすすめの型を紹介していますので、気になる方は参考にしてみてください。
オーブンについては、ご家庭のもので問題ありませんが、オーブンにも特製があり、焼き色が付きにくかったり焼きムラが発生しやすいなどの特徴を持つオーブンも存在します。
おすすめのコスパが良いオーブンについては、「お菓子作りのオーブンレンジおすすめ4選!初心者に人気の機種やその選び方をパティシエが解説」で選び方から、おすすめ機種まで紹介していますので、参考にしてみてください。
もちろん今お持ちのオーブンレンジでも十分に焼くことは可能です!
これらの道具を準備しておけば、パウンドケーキの作り方を始める準備が整います。必要な道具を揃えて、楽しくパウンドケーキ作りに取り組みましょう!
お菓子作り初心者におすすめ | シンプルで人気な定番パウンドケーキの作り方
パウンドケーキの作り方をまとめると下のようになります。
- 鍋に水と砂糖を入れてひと煮立ちしたら火からはずし、ラム酒を入れる
- 常温に戻したバターにグラニュー糖を入れて、ハンドミキサーで白っぽくなるまで混ぜ合わせる
- 2の生地に卵を少しづつ入れて乳化させる
- 3の生地にふるっておいた粉類を入れ、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わせる
- 型紙を引いたパウンド型に4の生地を流し、オーブンで焼く
- 170度のオーブンで40〜45分焼く
- 焼きあがったパウンドケーキがまだ暖かいうちにシロップをハケで全体にうつ
- ラップで包んで一晩置く
このレシピの特徴は基本の4同割りの生地の一部の材料を置き換えてシンプルながらもコクのあるレシピに仕上がっています。
4同割りとは粉、バター、薄力粉、砂糖が同じ割合の生地のことをいいます。昔ながらのベーシックな配合なので覚えておきましょう。
では一つずつ作り方を解説していきましょう♪
ステップ1.パウンドケーキに必須な下準備
おいしいパウンドケーキを作るために必要な下準備は4つ。
- バターを常温(15度くらい)に戻す
- 卵を常温に戻す
- 粉類をふるっておく
- 型紙を敷いておく(型の高さより2cmほど高くする)
- シロップを作る
パウンドケーキで下準備を行う上で、最も重要なのがバターを常温に戻すことです。
【パウンドケーキの疑問】バターを常温に戻す理由とは?
パウンドケーキのほとんどのレシピでは、バターを常温に戻す下準備が書かれています。
バターを常温に戻す理由としては、バターのクリーミング性を活用するために行う必要があります。クリーミング性と言うと難しそうに感じますが、簡単に言うとバターに空気を取り込む性質のことです。
パウンドケーキは生地の中の空気がオーブンで温められることで生地が膨らみます。
つまり、バターを常温に戻してから混ぜると、生地に空気が取り込まれてふっくらとしたパウンドケーキになるということなんですね。
ですので、季節に応じて事前に常温に戻すようにしましょう。
春・秋(室温約20~25℃)
1時間前後:バターを室温に戻すのに通常このくらいの時間がかかります。
【パウンドケーキの疑問】卵を常温に戻す理由とは?
卵を常温に戻す理由は、バター生地と卵を合わせた時に混ざりを良くすることで、生地を乳化しやすくさせるためです。
通常、バターって冷蔵庫に入れている状態では固まります。バターには温度によって硬さが変わる「可塑性」という性質が働いているためです。
同時に、バターは適切な温度(15度)でなければ乳化しにくい性質も持っています。
つまり、冷たい卵を常温のバターに入れることでバターが一気に冷えて分離してしまうんです!
バターと卵が分離してしまうとおいしいパウンドケーキにはならないので、卵を常温に戻す必要があるということなんです。
パウンドケーキ型紙の敷き方について
パウンドケーキ型は、型紙を敷きこむタイプが主流となっています。
そのため、毎回型紙を敷き込むことが必要になりますが、綺麗に敷き込むのが結構難しくて、パウンドケーキの仕上がりがイマイチになってしまうことがあります。
ここで紹介する方法は、簡単に敷き込む方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
パウンドケーキ型に合わせて、オーブンシートをカットします。オーブンシートは型の裏側から押し付けて、角で印をつけるようにしましょう。
切った紙の四方の角から切り込みを入れます。この時に奥まで切りすぎないように注意しましょう。
カットができたら、型に敷き込みます。型に敷き込む際には、カットした部分を重ね合わせるようにしましょう。
より詳細な解説はYouTubeで紹介していますので、ぜひご覧ください。
シロップを作る
シロップはとても簡単に作ることができます。
鍋に水、グラニュー糖を入れて、沸騰させます。その後粗熱が取れたら、ラム酒をいれ、常温まで冷まします。
入れるお酒に関してはお好みでウイスキーやリキュール類に変更してもOKです。
ステップ2.バターに空気を抱き込ませる
さて、ここから生地作りを進めていきます。
まずは、まずはバターだけをふんわりと白っぽくなるまで泡立て器で空気を含ませていきます。
この工程のポイントは、バターにたっぷりと空気を含ませることです。バターに空気を抱き込ませることで、ふんわりとした食感につながるため、必ずしっかりと泡立てましょう。
ここでバターの量が少し増えたかなと思えるまで空気を含ませると、ふっくらとしたパウンドケーキになってくれるんです♪
ステップ2-2. 砂糖を入れて、さらに泡立てる
バターが白っぽく空気を含ませることができたら、砂糖を加えてさらにすり混ぜていきます。
最初はダマっぽい感じになりますが、しっかりと混ぜ合わせていくことで綺麗なクリーム状になってきます。
ステップ3.卵を入れて乳化させる
バターにしっかりと空気が取り込めたら次は、バターと卵を混ぜて乳化させていきます。通常、卵とバターはそれぞれ水と油の成分が多く、そのまま混ぜても上手く混ざりません。
バターと卵を上手く乳化させるポイントは下の3つなので、こちらを参考にしながら混ぜ合わせてください。
- 卵とバターの温度を同じにする
- 卵をバターに少しづつ入れる
- 卵を入れてカサが増すまでよく混ぜる
バターに卵を一度に入れてしまうと必ず分離してしまいますので、バターに卵を入れる時は少量づつ入れましょう。
一度でも分離していしまうと、ステップ①で取り込んだ空気が抜け出て膨らみの弱い生地になってしまいます。慎重に卵を入れるようにしましょう。
ステップ 4.ふるっておいた粉を一度に入れて混ぜ合わせる
バター生地と卵が乳化したら、事前に合わせてふるっておいた粉類を入れて混ぜ合わせていきます。
粉を入れた後の混ぜ具合は?
粉を入れたあとは、生地にツヤが出るまで混ぜて行きましょう。
粉を生地に入れて粉っぽさが無くなってきてからもう少しだけ続けると、生地ツヤが出てきます。この時に混ぜすぎるとグルテンが出来てしまい、膨らみが悪くなるのでその手前で必ず混ぜ終わるようにしましょう♪
ここで混ぜすぎてしまうとグルテンが過剰に出来てしまい、生地の膨らみが悪くなる可能性があるので注意しましょう。
ステップ 5.型紙を引いた型に生地を流してオーブンで焼く
生地が完成したら作っておいた型に生地を流して、170度のオーブンで40〜45分焼きましょう。
ふっくらと膨らんで、指で押した時に押し返すような弾力があれば、焼き上がりです!
ステップ 5-5. 生地が焼きあがったら熱いうちにシロップを打ち込む
生地が焼きあがったら、熱いうちに作っておいたシロップをハケを使って打ち込んでいきましょう。
保湿の意味もあるので熱いうちにかけてしまうのがおすすめです。
【番外編】パウンドケーキの焼き上がりの割れ目をキレイに作る方法とは?
焼き上がりに上側がパックリと割れているのもパウンドケーキの魅力の1つ。でもこれって、普通に焼くと中々思ったように割れてくれないんですよね。
パウンドケーキの割れ目をキレイに作るやり方は2つあります。
- 焼いている途中で中央にナイフで切り込みを入れる
- バターを焼く前に真ん中にしぼる
この2つのやり方が一般的ですが、より簡単なバターを使うやり方では、柔らかくしたバターを、型に流した生地の表面真ん中に細く絞っていきます。
バターをしぼっておくと、中央だけ火が入りにくくなり、そこから生地が大きく膨らみぱっくりと割れるようになるため、綺麗に割れ目を作ることが可能になります。
逆に切れ目を入れる場合は、焼き始めの表面が焼き固まり始めたあたりで切り込みを入れるようにしてください。
【読むお菓子教室】初心者が基本の定番レシピから学ぶパウンドケーキのなぜ?とコツのまとめ
パウンドケーキは、お菓子作りの基本とも言える定番のレシピです。初心者でも簡単に作ることができる一方で、その美味しさは誰もが納得するものです。今回は、初心者が基本の定番レシピから学ぶパウンドケーキのなぜとコツをまとめてみました。
まず、パウンドケーキのなぜについてですが、その秘密はバターと砂糖の比率にあります。パウンドケーキは、バターと砂糖をたっぷりと使うことで、しっとりとした食感と風味を実現しています。また、卵をたくさん使うことで、しっかりとした生地を作ることができます。
次に、パウンドケーキの作り方のコツです。まずは、材料を適温にすることが重要です。特に、バターと卵は、乳化というポイントで温度の影響が大きく出てきます。乳化は美味しいパウンドケーキ作りの重要なポイントですので、ぜひ忘れないようにしましょう。
パウンドケーキは、シンプルながらも美味しいお菓子です。初心者でも簡単に作ることができるので、ぜひ一度挑戦してみてください。基本の定番レシピから学ぶことで、お菓子作りの基礎も身につけることができます。ぜひ、この機会にパウンドケーキ作りにチャレンジしてみてください。