キッチンエイドのスタンドミキサーといえばお菓子作り好きなら一度は憧れるハイスペックなミキサーですよね。
実際にお菓子屋さんで使われることも多く、その実力はプロも認めるものです。しかし、ハンドミキサーに比べ、価格や大きさなど自宅で使えるか不安な方も多いはす。
そこで本記事では、キッチンエイド9KSM95の実機レビューを行っていきます。
キッチンエイドとは?
キッチンエイド社は1919年創業の小型調理器具メーカーです。
キッチンエイド社のスタンドミキサーは、洋菓子店やカフェなどで業務用として使用されることも多い、本格的なスタンドミキサーになります。
今回紹介する9KSM95シリーズは、一般家庭用モデルとして販売されているシリーズです。
キッチンエイドスタンドミキサー|9KSM95シリーズの特徴
キッチンエイドスタンドミキサーの特徴は主に以下の通りとなります。
- ハンドミキサーにはないハイパワー
- 速度が10段階で調整可能
- きめ細かいミキシングが可能
- 一度に大量に仕込むことができる
それでは一つずつ見ていきましょう。
特に一度に作れる量が多いのはありがたいポイントです!
特徴①|ハンドミキサーにはないハイパワー
ハンドミキサーとスタンドミキサーの一番大きな違いはパワーです。作業音はハンドミキサーと比べると多少大きく感じますが、その分力強いミキシングが可能です。
泡立てる他にもアタッチメントを替えれば、固いバターを攪拌したり、パン生地を練ったりすることもできます。
また、自立しているので、手を離したままハイパワーで撹拌し続けることができるため、イタリアンメレンゲなどを作る際にも活躍してくれます。
特徴②|10段階で速度調整ができる
10段階の速度に切り替えることができます。
以下の表のように使うことができ、安いハンドミキサーと比べると微調整も簡単にできます。
速度 | 用途 | 使用例 |
---|---|---|
速度1 | かき混ぜる | ゆっくり混ぜたり、調合したり、つぶしたり、すべてのミキシング手順の始めに適しています。 ・乾燥した材料に液体を加えるとき |
速度2 | ゆっくりすり潰し | ゆっくりの攪拌、すりつぶし、かき混ぜに適しています ・粘り気の強いものを攪拌するとき ・イーストを混ぜて生地を練るとき ・ゆるいたねを攪拌するとき |
速度4 | 少し硬い生地を混ぜる | クッキーのような、やや手応えのあるたねを混ぜるのに適しています。 ・砂糖とバターをクリーム状にするとき ・メレンゲで砂糖を卵白に加えるとき |
速度6 | クリーム状に撹拌 | 攪拌やクリーム状にしたり、中くらいの速さのホイップに適しています。 ・ケーキ、ドーナツなどの生地作り |
速度8 | ホイップなど | 生クリーム、卵白を泡立てるのに適しています |
速度10 | 少量で作る時 | 少量の生クリーム、卵白を泡立てるのに適しています |
粘りの強い生地やすりつぶしの時は低速でゆっくり、少量の生クリームやメレンゲを作るときは高速など、生地の状態や材料を入れるタイミングなどに合わせて速度を簡単に細かく調整することでお菓子作りがより楽しくなります。
生地の調整が簡単にできるので、ベストな状態が簡単に作れます♪
特徴③|きめの細かい均一なミキシング(独自の攪拌機能プラネタリーミキシング)
9KSM95には、キッチンエイド独自の「プラネタリーミキシング」という技術が採用されています。
攪拌部品を取り付ける部位(ビーターシャフト)全体とビーターが逆方向に回転することで、混ぜむらや混ぜ残しがない、均一な攪拌や練りこみ、混ぜこみができます。
逆回転することで、ボウルの端までしっかりと泡立てることができるため、ボウルと接している部分の泡立てが弱いことがなくなります。
また、バター生地作りでも、しっかりと側面をこそげ取ってくれるため、より手で混ぜたような均一な混ざり具合を実現することができるんです♪
特徴④|一度で大量に混ぜることができる
キッチンエイド9KSM95は4.28Lの大容量ミキシングボウルが付属しているため、生クリームは最大1,000g、スポンジ生地は生地660gまで仕込むことができます。
9KSM95シリーズでの仕込み量の目安は以下の通りです。
お菓子名 | 最大 | 最小 |
---|---|---|
スポンジ生地 | 卵L玉約6個(生地で660g) | 100g |
イタリアンメレンゲ | 490g | 245g |
生クリーム(ホイップ) | 1000g | 220g |
パウンドケーキ | 生地で1000g | 生地で400g |
バター使用のパン生地 | 生地で940g | 生地で470g |
上記の表のように最小容量もある程度少ない量にも対応しているため、そんなにたくさん作らない時でも問題ありません。
また、個人的な経験では、生クリームは220mlなくても泡立てることは可能でした。150mlくらいでもなんとか泡立つと思います。
大容量から少量までこなせる万能スタンドミキサーだね♪
キッチンエイド9KSM95の注意点
キッチンエイド9KSM95を使用する際に気をつけておきたい注意点について解説していきます。
注意点①|アタッチメントのお手入れは簡単だから必ずしよう
スタンドミキサーでお菓子作りをした後は、必ずアタッチメントの洗浄や本体の拭き取りを行いましょう。
ホイッパー部分も、多少絡み合った構造のため、スポンジなどで丁寧に洗う必要があります。また、生地を長時間放置しておくと乾燥してこびり付くのでつけ置きしておくか、すぐ洗うことをおすすめします。
注意点②音はハンドミキサーよりも大きい
スタンドミキサー各種に言えることですが、モーター稼働音はハンドミキサーよりも大きく、音が気になる場合は素直にキッチンエイドのハンドミキサーがとても静音なのでおすすめです。
一般的な家庭で言うと、掃除機の音より少し小さいかなと言うくらいは煩いと考えておいた方がいいでしょう。また、遠くに置かれたテレビの音は一切聞こえなくなるほど音が大きいので、一軒家や隣に入居者がいない部屋であれば気にせず使うことができます。
キッチンエイド9KSM95の外観
性能は良くとも、実際に自宅に置くことができるのかは、スタンドミキサーではかなり気になるところですよね。
ここからはキッチンエイド9KSM95のサイズや気になる外観を見ていきましょう。
キッチンエイド9KSM95のサイズ感
キッチンエイド9KSM95のサイズは以下の通りになります。
箇所 | 長さ |
---|---|
幅 | 22cm |
高さ | 35cm |
奥行き | 36cm |
重さ | 10.2kg |
サイズ感で見ると、高さのあるオーブントースターくらいのイメージかと思います。
キッチンが狭い家ですと中々置き場所に困りますが、通常のキッチンであれば特に問題なく設置できると思います。普段から料理やお菓子作りに使用するのであれば、置きっぱなしが楽です。
重さに関しては、10.2㎏あり、女性は両手で抱え込むようにして持ち上げないと移動できません。その分硬い生地や粘りのある生地でもがたがた動くことなく、安定したミキシングができます。
ボウルや攪拌部品を取り付けるチルトヘッドタイプ
9KSM95シリーズは、モーターヘッドの上げ下げでボウルや攪拌部品を取り付ける、チルトヘッドタイプになります。側面にロックレバーがあるので、上げ下げする際はロックを外して行います。
ヘッドを上げる分、奥行きと高さが必要なため、ミキサーの後ろと上部には少し余裕が欲しいところですね。
ヘッドを上げたときの高さが43cm奥行きが45cmとなるため、それぞれ10cmほど余裕を持って設置するようにしましょう。
シンプルでスタイリッシュなデザイン
外寸で幅220㎜、奥行360㎜、高さ350㎜と一般家庭のキッチンに置くには大きく感じますが、見えるところに出しっぱなしにしていても、シンプルなデザインなのでそこまで気にならないのではないでしょうか。
筆者もキッチンに出しっぱなしにしていますが、あまり気になりません。
速度調節レバーも側面にあるため、作業効率も優れたスタンドミキサーと言えます。
付属品
ここからは付属品について解説していきます。
キッチンエイド9KSM95に付属するアタッチメントは下記の通りです。
- ワイヤーホイップ
- 平面ビーター
- ドゥーフック
ワイヤーホイップ(写真左)
ジェノワーズ、ホイップクリーム、メレンゲなど空気を含ませる必要がある混合に使用します。
ハンドミキサーと比べて、羽の数・大きさなど、空気を含みつつ泡立てるのに非常に向いています。
その反面、粘度の高い材料で無理に使うと、破損しやすいので注意が必要してください。
平面ピーター(写真中央)
クッキー生地やパウンドケーキなど、粘度の高い材料の混合、攪拌に使用します。
ワイヤーホイップではうまく混ぜられなさそうなクリームチーズやバターをすり混ぜるときなどにも使用します。
ドゥーフック(写真右)
パン生地、ピザ生地など重い生地の混合や練り混ぜに使用します。
手捏ねでパン生地を作るとなると時間と体力を必要としますが、スタンドミキサーのパワーを利用すれば、時短効果も高いです。
キッチンエイド9KSM95で実際にお菓子を作ってみました
キッチンエイド9KSM95シリーズのスタンドミキサーの使い心地をお伝えするために、今回はガトーショコラを作っていきます。
ガトーショコラはしっとりとした食感と濃厚なチョコレートが味わえるケーキです。冬になると食べたくなる人も多いかと思います。バレンタインなどに手作りする機会もあるのではないでしょうか。
ガトーショコラは、他のケーキと比べると粉の量が少なく、メレンゲの力を利用しているため、メレンゲの出来上がり具合がケーキの仕上がりを左右します。
そこで、キッチンエイド9KSM95シリーズのスタンドミキサーを使って、メレンゲを上手に立てるポイントを説明します。
メレンゲが重要なガトーショコラだからこそ、スタンドミキサーを使ってみましょう!
【キッチンエイドスタンドミキサーで作る】冬に食べたいガトーショコラ
■卵黄生地
- バター⋯⋯120g
- チョコ⋯⋯100g(ビターなものがおすすめ)
- 卵黄⋯⋯4個
- グラニュー糖⋯⋯36g
■メレンゲ生地
- 卵白⋯⋯4個
- グラニュー糖⋯⋯115g
- 生クリーム⋯⋯120cc
- 薄力粉⋯⋯50g
- ココアパウダー⋯⋯50g
■仕上げ用
- 粉糖
- バターとチョコをボウルに入れて、湯煎にかける
- 卵黄とグラニュー糖をホイッパーで混ぜて合わせる
- ②に完全に溶けた状態の①を合わせ混ぜる
- 生クリームを加える
- メレンゲを作る
- ④の生地にメレンゲと粉類を入れて、混ぜる
- 型に生地を入れて、170℃に余熱したオーブンで60分焼く。
- 粗熱が取れたら型からはずし、粉糖をかけて仕上げる
それでは、詳しく作り方を説明していきます。
【準備】
- 型の底と側面に型紙を敷く
- 生クリームは常温に戻す
- 薄力粉とココアパウダーは一緒にふるっておく
- 卵白は冷蔵庫で冷やしておく
ステップ①|バターとチョコをボウルに入れて湯煎にかける
溶けやすいように、バターは何切れかに分けて、チョコは砕いてボウルに入れます。湯煎にかけながら時々混ぜて、完全に溶かします。
ステップ②卵黄とグラニュー糖をホイッパーで混ぜて合わせる
別ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、ホイッパーでよく混ぜ合わせます。
ステップ③|②に完全に溶けた状態の①を混ぜ合わせる
油分と水分なのでしっかりと乳化するように意識して混ぜ合わせましょう。
ステップ④|生クリームを加える
常温に戻した生クリームを入れて、混ぜ合わせる。
ステップ⑤|メレンゲを作る
今回はキッチンエイド9KSM95シリーズのスタンドミキサーで作ります。
最初は卵白だけで高速8で泡立て、少し白っぽくなってきたらグラニュー糖を2~3回に分けて入れていきます。
グラニュー糖を入れた後は、高速10で泡立てます。グラニュー糖を入れるときは、少し速度を落とすとボウルの側面に飛び散るのを軽減できます。
次第にもこもことしてきて、艶が出てきます。
ホイッパーの線がのこるようになってきたら低速2~4にしてキメを整えます。
今回は出来上がりまで、約3分かかりました。
つやがある滑らかなメレンゲがあっという間に出来ました。
作業音は、ハンドミキサーと比べると大きいです。
我が家では、リビングで使用するとテレビの音は聞こえにくくなります。
ステップ⑥|④の生地とメレンゲ、粉を混ぜ合わせる。
④の生地にメレンゲの1/3量入れて、混ぜ合わせます。その後、粉の半量を入れ、混ぜます。残りのメレンゲと粉類を交互に入れて、混ぜ合わせます。
粉を入れた後に粉っ気が少し残っている状態で、次のメレンゲを入れていきましょう!
メレンゲをつぶさないように、ゴムベラで手早く混ぜていきます。
ステップ⑦|型に生地を入れて、170℃に余熱したオーブンで60分焼く
竹串などを挿してみて、生地がついてこなければオーブンから取り出し、型のまま粗熱をとり、型からはずす。
型から外したら粉糖をかけて完成となります。
焼きたてはふんわり、一晩冷蔵庫で冷やすと生地がしまり、濃厚でなめらかなくちどけになり、食べるタイミングで違った味わいを楽しめます。
お好みでホイップした生クリームやフルーツと一緒に食べても美味しいです。
食べる前に少し温め直すと出来立ての味わいも楽しめますよ♪
冷凍保存も可能なので、カットしてラップで包んでおけば、食べたいときに少しずつ食べることができますし、急な来客の時に出すことができます。
9KSM95シリーズを使ってみた感想
今回、9KSM95シリーズを使ってみて、家庭でお菓子作りをする上では申し分ない機能を持っていると感じました。メレンゲもあっという間にできましたし、仕上がりもいい状態でした。
ハンドミキサーの場合、ミキシング中は他の作業はできませんが、スタンドミキサーだと同時進行で他の作業が進められるのが特に便利だと感じました。
時短効果も高く、より良い状態同士で材料を混ぜ合わせることができるため、完成度の高いお菓子作りを目指せます。
今回使用した9KSM95シリーズは、購入当時では、当時5万円くらいでした。
多少お値段がはりますが、本格的なお菓子作りや運営にチャレンジしてみたいと思う方には非常におすすめできる一台となっています。
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